暖冬でアパレルができること

こんにちは。

丸田ししゅうの丸田です。

 

現在12月6日ですが来週からやっと寒くなるみたいですね。

今でも日中はコートが不要なほど決して寒くはない天気なので

地球温暖化の影響をひしひしと感じています。

 

また、昨今の物価高の影響もあり、気候変動がもたらす日本経済の先行きについても非常に心配になってしまいます。

とりわけ、アパレル産業は当社も密接にかかわっている為、情報が入ってくるのですが

TVやネットからだけではなく、時にはお客様から直に心配と今後の施策についても相談を受けたりします。

 

そこで今回は刺しゅう加工メーカーとして、アパレルに関わる者として、現在の問題点とどうすれば効果を最大化できるのかというのをまとめてみました。

これからアパレルブランドを立ち上げたい方の参考になれば嬉しいので、最後まで見て頂ければ幸いです。

 

アパレルとブランドについて

まず、前提としてアパレルとは英語で「Apparel」=衣服を意味する言葉でアメリカでよく使われる言葉です。

(イギリスではClothとかClothingを使う方が一般的)

 

普段の生活ではあまり使用することは無いですが

衣服に関わる産業として見た時に頻繁に耳にする言葉です。

「アパレルブランド」「アパレルメーカー」はほぼ同義で使われるようですが実際はちょっと違います。

 

「ブランド」というとルイ・ヴィトンやエルメスなどアパレル産業で多く使われますが、例えばイチゴなら「あまおう」、チョコなら「ゴディバ」と、どの産業でもブランド化している商品はありますので、注意が必要です。

わかりやすく言えば「ユニクロ」はアパレルブランドで、ユニクロを運営している「株式会社ファーストリテイリング」がアパレルメーカーになります。

 

世間に名前が知られていてその名前やロゴに付加価値が付いた状態が「アパレルブランド」で、どのアパレルメーカーも基本的にはロゴのデザインや会社が目指す方向、商品に共通する特性などをブランド化させることを目指します。

 

アパレルの歴史とリスク

次にアパレルメーカーがどのようにアパレルを販売してきたかをおさらいします。

細かく言うとキリがないので、年代別におおまかにお伝えします。

 

1990年代は百貨店や路面店で接客をしながら商品を販売してきました。

その為、店員さんは身なりに気を付けることはもちろん、商品知識やトークのスキルが求められ

トップセールスマンは歩合制で高いお給料をもらっている方もたくさんいて、学生の卒業後の進路においても花形と呼べるような立ち位置でした。

 

ただメーカーとしては何がどのくらい売れるかというのはわからないので在庫を多めに生産して

在庫を豊富に持ち、売れ残った商品はSALEで値下げして販売して、来季に在庫を抱えないようにするという流れです。

SALEをしても売れない商品は来季にはトレンドから外れてしまうので、廃棄して在庫を抱えないようにしますが、当然廃棄コストが余計にかかってしまいます。

 

また、この時代の商品は国内の縫製会社で生地から作ることが多いので、発注から入荷まで半年ほど時間が必要になり、冬物のジャケットやコートは夏の間に販売数を予測して、売りロスを防ぐ為にある程度多めに、しかし在庫を抱え過ぎないよう多すぎてもいけないという高度なマーケティングが求められていました。

 

2000年代に入ると急速にネットショッピングが普及し、高い人件費のかかるセールスマン、都市部の高い家賃がかかる実店舗は徐々に減少していくことになります。

商品の生産もコストの安い海外生産が増えて、ファストファッションと呼ばれる層が主力になっていき、国内の縫製会社も徐々に衰退していってしまいます。

余談ですが、丸田ししゅうもこの時期は主要取引先の会社が倒産してしまい、連鎖倒産寸前まで追い込まれるほど危機的な状況でした。

 

それでも基本的には自社製品は生地から選定して縫製から生産することがほとんどで、発注から入荷までのリードタイムはやはり半年ほどかかってしまう為、在庫の管理は相変わらず高度な判断が必要になりました。

 

2010年頃になるとECサイトは完全に一般的なものとして浸透し、ネットショッピングのハードルが低くなったことと相対的に実店舗を持つことは高いリスクが伴うものになっていきます。

また、生産の現場においても商品を1から縫製するよりも無地ボディメーカーと呼ばれる製品を縫製済の状態で仕入れて、プリント等でロゴを入れたりネームタグを付け替えて自社製品として販売するケースが爆発的に増えました。

 

その理由として、この手法でいけば今まで半年間かかっていた生産時間も、Tシャツの状態で国内の加工メーカーに運ばれて出荷するまで2週間から1か月程度で入荷することが可能になる為、気温の推移や流行の変化にもギリギリまで悩むことができるようになる為です。

国内の縫製会社はますます減少し、日本の技術力を持った人材は減る一方というのが現実です。

 

2020年代に入るとSNSやクラウドファンディングで販売する方法も新たに増え、ネットをフル活用して販売する会社がより多くのチャンスを得るようになっています。

この流れは止まず、益々加速していくものと思われます。

 

暖冬でできること

アパレルの売上構造として、春に夏物、秋に冬物を販売して夏と冬は閑散期であまり売上は伸びないというのが定説です。

特にコートやダウンは単価が高く、夏の間は費用が売上を上回って赤字もやむなしでも冬物でそれを帳消しにするほどの利益を出すことでトータルで見れば黒字になるというケースもあるほどです。

 

しかし、冬が短くなり気温が上がってくるとコートを買おうというお客様は少なくなることは十分想像できます。

実際に私自身も地方住まいで車移動が多いので、そこまで防寒性の高いコートはいらないと思っている一人です。

 

では冬物の販売減少分をどのように補填するか、大きく分けて3つ提案ができます。

①春夏物を引っ張る

Tシャツ、長袖Tシャツなどは通年販売できるので、春夏物の販売時期を単純に伸ばします。

ただそれだけだと商品の鮮度は下がってしまうので、春・夏・秋で新商品をリリースして飽きさせない工夫をすると良いでしょう。

②雑貨を充実させる

冬物は単価が高いので、利用頻度と財布に与えるダメージを天秤にかけてそこまでしなくてもいいか。。という判断になりがちですが、手袋やマフラーなどはそこまで高くならないので購買意欲は下がらないでしょう。

③受注生産に切り替える

サンプルを早めに作成して一定の販売期間を設けて、必要な分だけ生産する受注生産方式というやり方があります。

メリットとしては過剰に在庫を抱えなくてよいのでSALEや廃棄で発生するコストが一切かからない点と、環境に配慮している点でフォローを得やすいという点が挙げられます。

 

ただこちらはブランドの目指す方向が明確でわかりやすい必要があるのと、SNSを駆使してインフルエンサーになる必要があるので、しっかりブランディング戦略を組む必要があるでしょう。

まとめ

暖冬でできることをまとめてみましたが、いかがでしょうか。

昔はアパレルメーカーとして、会社単位で大きくやらないと自身のブランド展開は難しかったのですが、現在はアイディアとSNSとブランディングの知識があれば個人でもアパレルブランドを持つことは難しくありません。

 

その場合の最もお勧めの手法が先述の通り、国内の工場に依頼をして無地ボディのTシャツや帽子にプリントや刺しゅうを入れることです。

 

丸田ししゅうでは刺しゅう専門の加工メーカーとして、確かな技術力とアパレルブランドとも取引が多数ある実績があります。

もし自身のアパレルブランドを持ちたいという方がいらっしゃいましたら

下記のバナーより一度お問い合わせ頂ければ幸いです。

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