こんにちは。
丸田ししゅうの丸田です。
毎日暑いですね。
子ども達と公園に行っても律儀にマスク付けてる自分は本当に日本人だなと思います。
右に倣え、長いものにまかれろ、の精神です。
しかし未就学児の子ども達にはマスク付けさせたくありません。
リスクとベネフィットのバランスってやつです。
熱中症のリスクの方がだんぜん高いわけですね。
同じように大人だって旅行に行ったり、外食に行ったりすればいいと思うのですが
なかなか難しいですね。
さて、コロナのバッキャローという話はこのくらいにして。
今回は作業で使うミシンについて少し触れてみたいと思います。
ミシンというと身近なものでは縫製ミシンがまず思い浮かぶのではないかと思います。
手で生地を抑えてカタカタと進めていくアレですね。
小学生の時に家庭かの授業で使った記憶があります。
しかし、実は刺しゅう用のミシンというものもあり、当社は刺しゅうの会社なので
こちらの方が圧倒的に使用頻度が高いです。
なので、今回は縫製用ミシンと刺しゅう用ミシンの違いとそれぞれ家庭用と業務用があるので
それらの違いについて解説していこうと思います。
①家庭用縫製ミシン
まず最も身近な存在、家庭用の縫製ミシンです。
こちら手芸屋さんや電気屋さんでも売っている比較的小型のもので
気軽に持ち運びができる点が特徴です。
とはいえ、グレードは様々で直線縫いができればよいというシンプルなものから
縫いの方向や種類を変えられる中~上級者向けのものまであって
皆さん仕様目的や頻度によって違うようです。
身近な例として、体操服にお子さんの名札を付けるくらいなら最低限の機能だけあれば良いと思いますが
自分の服やかばんを0から作りたいという場合はそれなりの機能が必要になってきます。
価格としては、シンプルなもので1万円台で買えることもできますが
1台で色々こなせる中~上級者向けのモデルになると6万円を超えるくらいのお値段になってしまいます。
②職業用縫製ミシン
次に紹介するのは職業用の縫製ミシンです。
いわゆる縫製屋さんが所持している業務用のミシンで、基本的には家庭用のものより
大きかったり重かったりすることが多いですが、何と言っても特徴の一つとしては
一つの機能に特化していることが挙げられます。
例えば、裾上げ専用のミシンというものがあります。
ボトムスはGパンなど生地自体に厚みのあるものが多く、裾上げは端を折り返して縫うわけですから
実は家庭用のミシンだと針が抜けなくなったり途中で折れたりする危険性があり推奨されていないのです。
その為、職業用の裾上げミシンはかなりの厚みに対応できるようになっているだけでなく
ラッパと呼ばれる抑えのようなものがついていて、折り返しを手で押さえなくても
ラッパが抑えてくれることで折り返しの部分がきれいに手軽に仕上がるようになっている特長があります。
他にも千鳥縫い専用のミシン、袖部分縫製用のミシン、帽子縫製用のミシン
など用途に応じて様々で縫製屋さんも自社の得意分野のミシンを所持して事業を行っていることが多いです。
中には職人が手で押さえながらカタカタする本縫いと呼ばれるミシン以外にも
パソコンで糸の通り道のデータを作成して、スタートボタンを押せば
自動で指定した形に縫ってくれるという全自動縫製ミシンというものもあります。
気になるお値段ですが、職業用ミシンは安くても20万円くらいで
先述の全自動縫製ミシンは100万円でも買えないくらい高額です。
家庭用と比べても高いと思われる方は多いと思いますが
ミシンはとてもデリケートな機械で、一度壊れてしまうと
仕事のラインが止まってしまって、納期や契約に関わる問題になってしまうことから
販売店の修理保証が付いていることがほとんどで、万が一ミシンの調子が悪くなってしまったら
地方の会社であっても大抵は販売店の方が修理にきてくれます。
職業用ミシンは大型なので気軽に店舗に持っていくこともできないので
修理できる方が会社にきてもらう方がずっと良いんですよね。
ちなみに当社は刺しゅう専門の会社ですが、ワッペンの縫い付けや
Tシャツの襟にオリジナルネームタグの縫い付けを行うことも多々あり
業務用の縫製ミシンを2台所持しています。
1台は平縫い用、もう1台は袖や帽子など立体的な部分に縫い付けができる仕様になっています。
③刺しゅうミシン
さあ、おまちかねの刺しゅう用ミシンです。
刺しゅう用ミシンというとほとんどの方は馴染みが無いと思いますが
家庭用と職業用きちんとそれぞれ販売されているものになります。
ただ前提として、どちらも基本的には刺しゅう用のデザインソフトを使って
描いたデザインを刺しゅうで再現していくものになるので、デジタルを使用していくことになります。
家庭用の刺しゅうミシンではタッチペンで書いたイラストをワンタッチで刺しゅうデータに変換したり
グレードに寄りますが、写真をスキャンして刺しゅうデータに変換するということも可能なものもあります。
価格としては安くても30万円程度で、+刺しゅう用のデザインソフトが50万円程度するので
家庭用といってよいかどうか微妙なところです。
次に業務用刺しゅうミシンですが、家庭用との大きな違いは多頭機であるということです。
上記のミシンは6頭機と呼ばれるもので、1つの柄を6枚いっぺんに加工ができるので、枚数が多い場合は
このような形でないと対応できない場合もあります。
もちろん大きいロットのご注文ばかりではないので、1頭機の業務用ミシンもあります。
こちらは小回りがきくので、帽子やリストバンドなど様々なアイテムのご依頼がきた際の
枠の交換が比較的容易にできます。
クオリティにおいては家庭用のものより確実に高品質になるかと思いますが
先述の刺しゅうソフトのデザイン力によるところも非常に大きいので
良い刺しゅうをする為には、ハード、ソフトの両面で高いパフォーマンスを発揮する必要があります。
価格は様々で1頭機で100万円くらい、先述の6頭機は500万円くらいします!
目ん玉飛び出るくらい高いですが、これが無いと刺しゅうができないので、致し方ないところかと思います。
ちなみに私だけかもしれないですが、先述の写真スキャンなどの機能はあるのですが、一切使わないです。
刺しゅうデータ作成は本当に経験と知識が必要なので、自動変換の技術はまだまだ我々のレベルに追いつかない
であろうと勝手に思っています。
まとめ
各ミシンの紹介、いかがでしたでしょうか。
(有)丸田ししゅうではこの業務用ミシンを大小合わせて9台所持しています。
大きいロットのご依頼に応えられるよう設備投資に余念はありません。
機械メーカーさんや業界内でもそれなりに当社の存在は認知されているようです。
円安の影響なのか、ものつくりの現場が海外から国内に移行している昨今
皆さまに必要とされている限り刺しゅう加工メーカーとして
業界をリードできるような存在で有り続けたいと思います。