こんにちは。
丸田ししゅうの丸田です。
今日はロゴやマーク刺しゅうについて解説させて頂きます。
まず刺しゅうというサービスは大きく分けると2つに分かれます。
①ネーム刺しゅう
②ロゴ・イラスト刺しゅう
です。
会社によって名称は違いますが、どこもこのような分け方をしています。
ではその違いを細かく見ていきましょう。
ネーム刺しゅう
その名の通り、文字を刺しゅうすることです。
当社のようなパソコンを用いて刺しゅう用のデータを作成し
そのデザインを刺しゅうしていく機械のことをコンピュータミシンと言います。
おそらくですが、刺しゅうというサービスの95%以上がコンピュータミシンとなっていると思います。
このコンピュータミシンには色々とバリエーションがあり
当社では専門性の高い業務用の刺しゅう用のソフトウェアを使用しています。
ちなみに当社ではオーストラリアの会社が販売している「wilcom」というソフトを使用していて
アメリカや中国の工場でも使用されている世界基準のソフトを使用している為
例えば地球の裏側からオーダーを頂いたとしても外国の会社で作成した
刺しゅうデータをそのまま使用することが可能です。
(厳密に言えば使用している糸が異なるので、若干の調整は必要ですが)
他にも刺しゅう用のソフトはミシンとセットで多数販売がされていて
文字を刺しゅうすることのできるソフト、ミシンは
手芸屋さんなどでも買い求めることが可能です。
最近では家庭用の縫製ミシンでもちょっとグレードの高いものであれば
刺しゅう機能が一体になっているミシンも一般の方向けに販売されています。
つまりネーム刺しゅうはそこまで専門性は高くないので
依頼しようと思えば、多くの会社や個人で頼むことができるのではないかと思います。
ただそれぞれが持っている特性やアタッチメントにより
衣服の胸部分には入れられるけど袖には入れられないだったり
タオルや帽子にはできないだったり、長所短所はあります。
ネーム刺しゅうのもう1つの特性としては、刺しゅうソフトに入っている書体の中から選ぶ必要があり
言い換えれば選択肢ができるので、初めての方でもそこまで迷わなくても大丈夫な仕様ともいえるかもしれません。
デザイン性へのこだわりというより、店名や会社名といった文字が持つ情報
に重きを置いているサービスと言えそうですね。
また、学生服や作業服の個人名に関してはほとんどがネーム刺しゅうになります。
刺しゅうする側としては、ソフトに入っている書体から選択して
入力をするだけなので、初回のパンチデータ作成(後述します)に時間を割くことが
あまりないので、その分の初期費用は0円であることが多いです。
刺しゅう代もお手頃価格になっていることがほとんどで
あまり刺しゅうに馴染みのない方の導入としての側面のあるサービスですね。
さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、次のテーマが本題になります。
②ロゴ・イラスト刺しゅう
こちらは会社やブランドのロゴ画像等のデータをシェアして頂き
色味や書体を再現するというサービスになります。
会社によってはマーク刺しゅうとか、オリジナル刺しゅうとか
色々な呼び方がありますが、当社ではロゴ・イラスト刺しゅうと呼称しています。
先ほどのネーム刺しゅうが決まった書体からしか選べない仕様であったのに対して
こちらは画像を再現するので、唯一無二のオーダーメイドのサービスになります。
形も様々で、ネーム刺しゅうはほとんど左から右に流れる形となりますが
〇形だったり菱形だったり、動物の形をしていたりと様々です。
ご依頼の際にはロゴを再現するにあたって可能な限り画質のよい画像データや
紙媒体のデータが必要になります。
こちらは文字のように一見すると意味があるわけではない柄も
存在するので、情報よりもデザイン性を重視したサービスと言えます。
ただ全く情報が無いわけではなく、ロゴに込められた想いだったり
会社のブランディングであったり、アーティストの方が丹精込めて描いたイラストだったり
受け取る側がわからないけど、そういった情報に溢れている場合も多いです。
その為、こちらはまず最初に刺しゅう用のデータを起こす必要があり
これを専門用語でパンチデータと呼びます。
なぜパンチというのかという説明は長くなりますので今回は割愛します。
最初にデータ作成の時間が発生する為、初期費用として版作成代を頂くことがほとんどで
柄が複雑だったり大きくなったりすればするほど、費用も高額になります。
一般的なワンポイントロゴであれば2000~3000円でお受けすることが多いですが
以前個人の方から愛犬の写真を刺しゅうで再現したいと言われたことがあり
こちらは版作成代に最低でも50000円はかかってしまう旨を伝えました。
高いと思うか安いと思うかはそれぞれだと思いますが
そのくらいデザインによってこちらの作業時間も変わってくる為
価格に反映せざるを得ないのです。
ネーム刺しゅうが多くの会社で対応しているのに対して
このロゴ・イラスト刺しゅうは製作できる場所が非常に限られます。
先述の通り、子どもの名前を入れるくらいであれば、一般向けの家庭用の縫製ミシンに
も付いているくらい一般的な機能になります。
が、こちらは専門の刺しゅうソフトを必要になり、ロゴをどのように再現するかは
デザイナーの技量によるところが非常に大きくなります。
デザイナーが刺しゅう用のデータを作成する時には
・生地の種類や厚みによって変わる縮み具合
・異なる色を重ねた時の余剰部分
・縫いの方向による光の反射の仕方
・デザインや使用する糸の太さに対して最適な糸密度の割合
を常に考えてデータ作成を行っています。
薄いTシャツ用に作成したデータをそのまま硬い帽子に対して
使用すると密度が粗くなって、見栄えが悪くなってしまうと言った具合です。
ソフトを持っていればよいというわけではなく
糸の方向や書き順まで考えた上でデータ作成できる刺しゅう加工メーカーというのは
非常に限られています。
当社も業界内では少しは知られた存在ではありますが
それだけの信頼に応えられるよう、質にはこだわって今後とも運営をしていきたいと思います。
どうせならしっかりやってくれそうな会社に頼みたいと思った方は
一度「丸田ししゅう」までお問い合わせ頂きますようお願いします。